「伝言150」

 

花の色香に似せた幻の媚薬
ときとしてそれは王として君臨し
あるときは島流しにされる王族のように
見事に甦ることもなきにしもあ(り)ず

花に吸い寄せられるミチバチのように
それはときとして家宝をもたらす
甘い果実に群がる蟻のごときの人々
如何せんそれはよくできていて
朽ちることもなく
はるか豊かに流れ続けるミツのように
滴り落ちるものを受け止める
神はいずこに去らん
神と神の狭間に生きる人々にとっては
これもまたしのぎよかろう
砂漠に湧き出る泉のように
ハナからトンボよ
出てこられよ

2014/11/05 (水)

 

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