イエスは神によって死に至らせられた?

                                              2001年12月18日(火)ふるいちまゆみ


前回に書いたものがちょっと難しかったようなので、今回はどうやって書いたらいいもの
か、考えながら書いていきます。
イエスの生誕場面の絵も皆がすでに知っているものだと思って、あんなに簡単に描いてし
まいました。

イエスが生誕した絵に登場してくる人物、動物は、すべてその時の天体図(惑星・星座)
を表わしているということです。
イエス(太陽)を抱いたマリア(シリウス)のすぐそばにマギ(水星)がひざまずき、も
う二人のマギ(土星・木星)がその横に立っている。
これをホロスコープでみると、夜明けの空に昇ってくるシリウスのあとに昇ってくる太陽。

この時、一番近くに水星がある。
そばには木星と土星があり、しかも大変めずらしい"合"に入っている。
そして、その周辺にはオリオン座・牡牛座・牡羊座・双子座・馭者座がある。

重複するかも知れませんが、要するに、古代エジプトでは一年中で最も重要な日は、ホル
スの象徴的誕生日であった。
この日は、シリウスのヘリアカルライジング(夜明けの直前、太陽に先立つ数分間、シリ
ウスが東の空に昇ること)の日で、又この日太陽は獅子座の巨星レグルスと"合"に入る。

そしてこの日は新年の始まりとされていた。

前回に書いたコンマゲネ王国のアンティオコス王とその父親の公式な誕生日として採用さ
れたのです。
そして、紀元前7年7月29日に、木星と土星という二つの惑星が重なりあって、大変めず
らしい明るいひとつの星となることがわかって、当時のコンマゲネ王国周辺ではちょっと
したというか、大変な一大事が起きるのでは?という騒ぎになったらしいのです。

そして、これも前回書きましたが、コンマゲネの王は自分たちが空の大きな獅子の支配下
にあり、特に木星の庇護の下にあると見なしてきたのです。
この木星をペルシャの至高神オフルマズドの化身とみていて、(当時、コンマゲネ王国はゾ
ロアスター教と深い関係があった)この木星と土星が重なるのを見て、(以前、ペルシャの
預言者ゾロアスターが跡を継ぐ息子が現れると言った預言を信じていたので)当時の占星
術師たちの間で新しい救世主の誕生と思い、コンマゲネ王国やその他の周辺の国、エデッ
サやアルメニアから三人の博士(マギ)が派遣されたのでは?と云う説なのです。

そして、マギたちは星に道案内をされながらエルサレムへ着く。
(当時、ヘロデ王は生まれてくる子供たちを次から次へと殺している)
エルサレムでは、ダビデの子孫にあたる救世主が近くの町ベツレヘムで生まれるであろう
という古い預言があった。
この時エルサレムはベンヤミン族の土地であり、ベツレヘムはユダ族の土地であった。
ユダ族はイスラエルの獅子と呼ばれていたので、同じく獅子の加護のあるコンマゲネ王国
から来たマギにとっては、まさにこの場所に違いないと思われたのではないでしょうか?

そして、マギたちが夜明け前にベツレヘムに着いた時、この星(木星と土星)がイエスの
生まれたの上に止まった。
(これもホロスコープと関係有るので覚えておいて下さい)

マギたちはラクダを下りて贈りものを取り出した。
黄金乳香没薬である。
(この三つの贈りものはまた後で書きますが、水星・木星・土星と関係があるので覚えて
おいて下さい)

ヘロデ王が子供たちを殺していたので、マギたちは違う道から帰り、そのあと、ヨセフ・
マリア・イエスもエジプトへ逃げることになる。

ちょっと話はそれるのですが、イエス(太陽)が生まれた時、イエスとマリアの間にプロ
キオンと云う明るい星があるのですが、このプロキオンは子犬座の星だと云う事を知った
時、以前見た夢を思い出しました。
今もこの夢の分析はきちんと出来ていませんが書いてみましょう。
1996年6月10日(月)夢ノートより
『子犬たちがいて空を見上げている。親犬と一緒のときに子守唄(曲名は忘れました)を
聴かせると北斗七星・北極星のことが理解できるが、親犬がいないときにこの子守唄を聴
かせるとまちがって覚えるのでいけない・・・』
こんな内容なのですが、当時の私の解釈として、"犬は星座をみて方角が理解できる"と云
うことでした。

今回、調べものをしていたら、大犬座(シリウス)と子犬座が出てきたので、なにかまた
別の解釈が出来そうです。
それに、子守唄が何を意味しているのか。
今いちばん気になるのは、この子守唄の内容です。
細胞レベルでは覚えているけれど、意識レベルで忘れてしまっている感じです。

イエスの生誕場面のホロスコープでは、大犬座のシリウスがマリア、子犬座のプロキオン
は"産婆"を表わすとあります。
  (言い伝えによると宿屋の主人の娘を表わすそう)

友人からシリウスに関する本をもらったので、また後日読んでみて面白いことを発見した
らお知らせします。
半田広宣さんの本、シリウス革命も関係ありそう。

沖縄にはオリオンという名前がたくさんあって、引越してきた当初から不思議に思い、色
んな方に理由を聞いたのですが、誰もわからないみたいです。
オリオンビールとかオリオン薬局とかグランドオリオンとか色々あります。
グランドオリオンという名前の映画館の建物には、確か三つの星がシンボルマークとして
あると思います。
グランドオリオンは地上のオリオン座ということかな?
ちなみに、沖縄では太陽のことをティーダというそうで、太陽に関する名前もとても多い
ですね。
ヘリオスビールのヘリオスも太陽という意味ですね。

獅子とイエスが密接に関係していることがみえてきたので、ここでヘルメス学と占星術で
調べてみます。
(グノーシス主義だと、また変わってきますので、いずれ、グノーシス主義のこともちょ
っと書いてみます。去年のアースワークショップでも少し話しましたが)



ヘルメス学では、魂が神々の住む領域を通過して地上に降りてくる時に、それぞれの神々
から贈りものを受けとります。
そしてこれらの贈りものは死んだ時に返却されねばならないのです。

ヘルメスのポイマンドレースより
『叡智よ、あなたは私の望みどおり、いっさいのことを教えてくれました。こんどは人間
が昇る道について語ってください。どのように(生命)に入ればいいのか教えてください』

ポイマンドレースは語った。
『まず物質的な身体が分解すると、おまえは身体そのものを変化にまかせることになる。
するとおまえの身体はみえなくなる。さらに生ける霊魂ももはやおまえの中で作用するこ
とはなくなる。身体の諸感覚もそれぞれの根元に還り、宇宙の各部分になる。そして新た
に統合されて、別の仕事を始めるのだ。
こうして人間は天の構造を上昇していく。
第1の層(月)では増減の作用をつかさどる力を返す。第2の層(水星)では、よこしま
な計略を。第3の層(金星)では、人を欺く欲望を。第4の層(太陽)では支配を求める
傲慢な心を。第5の層(火星)ではよこしまなずうずうしさを。第6の層(木星)では富
へのあくどい執着を。第7の層(土星)では待ち伏せている虚偽を返すのだ。
このようにして、彼は天界の構造が及ぼしたすべての作用から脱して、8つの圏を上昇し、
いまや本来の力をもつにいたるのである。』

このように7つの惑星は低次の天界を支配する王とされている。

神の恩寵から落下した人間は惑星の支配下に置かれた。
これによって人間は輪廻転生の周期にとらわれた。
特に誕生の時に地平線より上にあった惑星は、その人間の輪廻する魂の性格に影響を及ぼ
す。しかし、こうした神々からの贈りものは本人の用い方しだいで祝福にもなれば呪いに
もなる。

私個人としてはこのヘルメス学の考え方はロマンチックで好きですね。
インドのヴェーダ体系の中のジョーティッシュで誕生した時の時間を細かい部分まで調べ
るのはこういった理由なのでしょう。
たとえば、12月14日生まれといっても時間によって惑星の位置が変化していくわけだから、

正確な時間がわかればその人が惑星の神々からどんな贈りものを受けとっているかがわか
るわけですね。
至高天といわれる場所から魂が真っすぐに降下してくる姿を想像しただけで、ぞくぞくし
てきますね。(本当に至高天から?)
地上に降りてくる途中に神々から贈りものを受けとりながら・・・・・・
友人たちにはよく云ってるのですが、私個人の細胞レベルの記憶としては、私ははるか昔、
月の水と一緒にサハラ砂漠に降りてきたということと、もうひとつ私が雷の子供で雲の上
から地上を見下ろしている時にまちがって落ちてきたという二つの記憶があります。)

ここで又、イエスに戻ります。
三人のマギ(博士、王)の贈りものは、三つの惑星からの贈りものとなる。
ヨハネの洗礼を受けたすぐあとに、イエスが砂漠で断食をしていた時に三回悪魔の誘惑に
あうシーンがあるが、これも三つの惑星の誘惑、誤用と考えられます。

@石をパンに変えてみよという誘惑−物質の魔術的変容。
 これは魔術を司る星である水星が付与した聖なる力の誤用。
A高いところから飛び降りよ−強い信仰があれば、天使がイエスを支えてくれるはずだと
 云われる。
 生命を保護する土星の力の誤用。
Bイエスに全世界を与えようという誘惑−これは王権を支配する木星の力の誤用。

(ここでは悪魔はイエスの低次の性格、影の面を表わしている?)
ところが、イエスはこれら三つの誘惑をしりぞけ、三つの惑星の神々の影響を超越してい
ることを示した。
イエスが誕生した時、その場に居なかった惑星、金星(欲望)、火星(残虐)、月(怠惰)
の影響は全く受けなかった。
ということは悪魔、つまり七つの惑星は人間の魂を物質世界に縛りつけるけれども、その
人間を支配する惑星の影響に応じた誘惑しかできないのです。
(誘惑という字は惑星が誘うとなっていておもしろいですね。今、発見しました)

イエスはこれらの贈りものを他者のために用いた。
水星の力で水をワインに変え、パンと魚を増やした。
土星の力で病人を癒し、死者を蘇らせた。
木星が与えてくれた財産や地位をなげうって放浪の医者となった。
「マタイによる福音書」の物語は、私達人類はどうあるべきであるかということを語りか
けているように思えますね。

イエスは死ぬ前に、自分の使命を成就するために星気界(アストラル)の王である「神々」から
与えられた贈りものを返還した。
裁判の場で、巧みな言葉や魔法のトリックで自分を弁護することを拒否した。
いいかえれば、水星の与えてくれた能力を放棄したのだ。
又、自由の身となることを放棄することによって木星を否定した。
そして、十字架で死ぬことによって長生の運命を放棄し、土星の贈りものを返還した。

このようにしてイエスは三人のマギ(惑星)から与えられた贈りものを返還して、地上の
存在の呪縛から解放されることを望んだ。
イエスが行った第4の否定はユダの王になることだった。
これは太陽神アポロ=ヘリオスの贈りものである。
代わりにイエスはイバラの冠と葦の笏を身につけた。
(それでもローマ総督ピラトの命令で十字架にはユダヤ人の王、イエス・キリストと書か
れた板が打ち付けられた)

あらゆる面において、イエスは象徴的に惑星の誘惑を全てしりぞけた。
その叡知(グノーシス)は最高の次元に達していたので、イエスは水晶圏を通過して、全
てのヘルメス学者があこがれる父なる神の右側の座に就いた。
その王座は、ちっぽけな太陽系とその小さな王たちを超えた所に位置する。
イエスはマギたちの贈りものを受け入れ、快適で名誉ある生を送り尊厳のある死を遂げる
ことも出来たのにこれらを否定して、あえて苦しい道を望んだように思える。
このことによって預言を成就し、水晶圏を抜ける扉を開いた。
これは人類にとって重要なメッセージとなる。
人は自分自身の運命と向き合い、必要なら快適だが限りある宿命を投げ出す必要があると
いうことになりますね。

ヨハネの黙示録
『長老の一人がわたしにいった。泣くな、見よ、ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえ
が勝利を得たので、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる』
(これが七つの惑星に対応する?)
このヘルメス学的な考え方だと、イエス以前には水晶圏を抜ける扉を開いた人はいなかっ
た。
扉はまだ開かれていなかった、
ということになりますね。
でも果たしてイエスの後、何人の人間がここを通り抜けることが出来たのでしょうね。
(誰もいなかったのでは?と思いますが)

扉という言葉は好きですね。
去年、アースワークショップで"閃き"ということばについてちょっと話したことがある
のですが、私は元々、門とか扉という言葉が大好きです。
たまた言霊(ことだま)について話していた時です。(自己流の)
目を閉じて想像してみて下さい。
"大きな宇宙空間に門が浮かんでいる。
その門の真下に人が立っている。"

何がみえましたか?

私が去年、話した時はこんな風にいいました。
『神の扉を開ける。』
『神の世界を覗く。』
『絶対界と相対界の境い目が門。』
『その門の真下に人間が立っている。』

ひらめきという言葉を分解すると、これが又おもしろくて。
ひらき の間に め が入っている。
まさしく ひらき 、あるいは ひらく 門の間に人の目がある。
だから、ひらめき、閃きを大切にして下さいねと教えました。
イエスの物語を考えていたら、私の考えた閃きを思い出しましたのでちょっと書いてみま
した。


イエス以外の獅子について
〇ヘラクレスの12の功業の中のひとつにネメアの獅子退治がある。
         
           黄道12宮星座と対応
    これは太陽が獅子座を通過することを表わしている。


〇士師記の中のサムソンの獅子退治
  |     \
これも字は違うけれど   ギリシア神話のオリオンも同じ
同じく獅子になりますね  聖書のニムロドも同じ
                        (オリオン座を表わす)
サムソンが死んだライオンのところに行ってみると、その死骸に
          (獅子座を表わす)
みつばちの群れがいて、蜜があるのをみつけひとつの謎を思いつく。
食べるものから食べものが出た。強いものから甘いものが出た"
  
この部分を星に置き換えて考えてみて下さい。

      オリオン座が獅子座のそばにやってくると、隣にかに座の散開星団のプレセベがあ
   った。(これがみつばちの巣箱)
   そして散開星団の中から新しい生命(星)が次から次へと生まれ出てくる、という
   ことでしょうか?
   オリオン座が獅子座に対して退治するような姿になった時にすぐそばで新しい星が
   生まれてくる、ということ?

これだとちっともおもしろくないので、私の好きなパターンで星を離れて考えてみますね。

最近、知ったことがあります。
みつばちの意味です。
みつばちの巣箱のあの形は色々な場面で象徴的に登場してきますね。
紀元前2500年頃にバビロニアで創設されたサルムング、あるいはサルマン教団と呼ばれた
秘教的団体の名前の意味が"蜜蜂"なのです。
この団体はゾロアスター教?と関係があるようです。

『"蜜蜂"はつねに伝統的な知恵の貴重な"蜜"を集め、それを後の世代のために守ってい
く人々を象徴する。アルメニアやシリアの宗教的グループの間で、よく知られている伝説
集に"蜜蜂"というタイトルのものがある・・・・・・』と書いてありました。

そこでこう解釈してみます。
サムソンを神にして、ライオンをイエスにして考えてみることにしました。
神が死んだイエスのところへ降りてくると、イエスの死骸にあるいは墓に秘儀参入者たち
がたくさん集まっていた。
彼らの中に"伝統的でかつ新しいあるもの"をみた。
      蜜という字をみていると、あるものから又別のものに
      変化してゆく新しい生命のようにみえます。
      錬金術のようにみえてきますね。
      言葉に出来ないのであるものとしておきます。
その時、神はひとつの謎を思いつく。
人間(秘儀参入者)から新しい人間(神へと近づく者)が出た。
イエスから(人間を神へと近づけるための)新しい人間が出た。
もうすこし、わかりやすく書いてみましょう。

神は思った。
今やイエスの死によって、水晶圏を抜ける扉は開かれた。
そしてイエスの死の意味を悟った秘儀参入者たちは、このことを後世の人間に伝え、そし
て新しい魂を持った人類が出てくるだろう・・・・・・

私も大いなる地点へと向かう人類の姿は、これが本来の人間の在り方、方向だと思います。
このことについては、去年アースワークショップでも話しました。

謎ときをしていて思ったのですが、
じゃあ、イエスは神によって死に至らされたのだということになりますね。
これがイエスの宿命だったのでしょうか?
これを今読んでくれている方たちはどう思われましたか?
違う解釈、おもしろい謎ときがあったら教えて下さいね。

私は頭の中が飛びまわるので、こういうふうに集中して考えて書くとちょっと疲れます。
その都度、飛びながら書いていきたいのですが、そうすれば、余計読んでもらっている人
たちが理解出来なくなりそうですから、我慢!我慢!
でもチョットだけ飛ばさせて下さい。


月=怠惰と書いた時に思ったのですが、惰の字に月が入ってますね。
小さい左の月、という風に分解したら、月がちゃんと丸くならないで左に片寄った小さい
月の映像が浮かびました。(なまけものの月かな)

つづく


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