「伝言184」

 
アヌの伝言

時はすでに過ぎ去った
時おり吹く風も
どこか淋しげである

一から十まで手取り足取り教えても
身につかぬ者はたくさんいる
一に秀でても十に転げて何になる
一から十までといってもそれは
個々によって違ってくる
ハナから信じることもせずに
何になろう
のうのうと生きるが人生でも
それなりの対価を払わなくてはならぬ

いきなりやってきて
それみよがしに力をみせつけられても
それはとうてい地獄の花火にしかならぬ
とんとん拍子に上がってきたものでも
それはやがて天に唾を吐き
鏡に映る自己という幻に
我が化身をうつすのみである
自己の投影に舟を浮かべ漕ぎ出して
何になろう

身をもってていするとは
自己の幻を捨て去ることである
宝の持ち腐れにならぬよう

ハカイシを持ち上げ地上に出てきたものにも
一握りの糧を与えよ
手からこぼれる種子のように
それはやがて芽を出し花を咲かせる
実がなるかならぬかは
水の按配だ

天はかくしてこうである
はじきり
はじらせ
はやしたてよ

花からいちもんめ

2015/09/17 (木) 18:02

 

 

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